クロスメイズ案

 

目覚めたときには、自分以外の誰もいなかった。
物音ひとつたたない屋敷には、オバケすらいない。
「ミテ様…?ザルミテ様?マーイル?トイトイ~?えーっと…イーノ?」


幼子の声は屋敷の広さに吸われ、返ってくることはなかった。
ある屋敷では跡形もなく主人だけ消え、ある人は主人とはぐれ、ある人の鉢に入れた主人は消えた。
人ならざるメイド達の、主人が一斉に姿を消したのだ。
それどころか、この世界全てのものが、そっくり作り物に入れ替わったようだった。


「これは…一体どういうことなのでしょう?」
「みなさん、一体どこに…」
「これじゃあ、メイドとは言えないわ」
「前略ふとももください」
各地から集結したメイド達は、自らの置かれた状況と、それぞれの同業者が置かれた状況を整理していた。
そこに、見覚えのないメイドが姿を現す。
「お初にお目にかかりますわ…」


「あなたは?」
「私はあなたがたと同じ存在です、そして…あなたがたを招待させていただいたのも私」


消えた主人の行方は?謎のメイドの正体は?メイド達の運命は?
『メイドチーム、宇宙(そら)へ!』動き出せ未来!

 

 

 

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